No.1 から 続きです
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全ての目を擦り込みますと”本身”の”抜け具合”が変わります。
”詰まった”状態になりますと使用中の摩擦熱により目の側が
伸びて”逃げ場”を失い変形し、使いにくくなってしまいます。
そこで、「アサリ出し」の前に「狂い取り」をします。
曲がり修正のみが「狂い取り」ではありません。
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写真は上方向から「曲がり具合」を見た図 かなり大きく曲がっています。
「縦の狂い」が写真であり「横の狂い」も
同じように有りましたが撮影は難しくて
出来ませんでした.
さいわい、「詰まり」は無かったので
容易に曲がりを直す事が出来ました。
本身の内部の狂いは当然有りましたが
それなりに修正しました。
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< 「ひっこき」を再々度 施して、ようやく「アサリ出し」です >
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(画像はGIFアニメ)
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金床に、しっかり固定して、強さを加減しつつ一本を数度叩いて曲げます |
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下は”金床”とサイズが異なる”アサリ槌”
行程 "アサリ出し"
と <終了図>
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出し過ぎるとバラけて挽きにくくなり、足りないと鋸身の動きが渋ります
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やすりを”送る”速度は
要注意!
ヤスリの目、一本一本が
しっかり鋼に食い込むように
力と速度を加減する。
うっかり滑らすと、
鑢は切れなくなってしまう。
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裏側からの「下刃」を摺っている姿勢(容易な箇所)
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(銘を切ってある側が「表」です)
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←←左方向が手元部 |
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摺り込み、ひっこき後。
この後「上目摺り」
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鋸の裏側から撮影
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上目終了 左端の目が 「ガガリ」
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目の左部刃が「下刃」右部が「背刃、上刃」
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ガガリにも上目をつける。
先端の光っている刃が「上目(うわめ)」
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マド鋸が切るのに効率が良い根拠=普
摺り込み(深くする)
右図の左端、
浅いガガリ目を深くします
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手間、所要時間は?
程度、厚味、硬度で大きく異なる
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1)ガガリ刃に5〜6回、 ヤスリ入れ
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2)ヤスリ入れ回数は数十回。 右の下刃摺りと ガガリ摺り (表裏 から)を 同時進行
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3) 終了図
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刃摺り終了の後、アサリと狂い取りの最終チェックを要します
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刃摺り 完了 |
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アサリの出具合が見えます
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上目の付き具合が見えます
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通の刃が二筋の切り込みを入れ、
<<完了です>> 目が折れてしまっている箇所を残したのは残念ですが、「やむを得ません」
Before |
After |
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作業を進めながら制作に関わった職人さんの姿を想像しました。 例えば ーーー
焼き入れの際は弟子さんが長い「ひっかき棒」でフイゴによる炭火を
「良い状態」にすべく顔を真っ黒になるのも構わず「叱られないように」
頑張っていたのだろう ーー などなど
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長い期間、使われないままであった鋸が今、
その機能を発揮し、役目を果たそうとしています。
荒れ放題の林が自然保護の意識を、お持ちの依頼主氏
グループの皆さんにより保全されることに 感謝!
制作に関わった職人さんに代わって「ありがとうございます」
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